第126回(2017.07.21) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その126
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(40)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(28)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月号ではIさんから「町からの回答が今月号で得られる」と聞いていたが、どうだったかな。

I.回答は得られました。好意的な回答でしたが、再生協議会のテリトリーの公園の改修に関する課題解決には至りませんでした。再生協議会が実施する領域内での公園改修については町の担当課長の関心は金のかからない面白い提案が出たらいいね、という程度の関心でしたが、私たちが申し出た大きな公園の改修に支援する旨の報告がありました。それ以外の公園への改修は困難でした。そこで再生協議会はハード(遊具)等を提供しない公園の活用化を提案する羽目になってしまいました。

A.町に関心がなく、今の公園活用で住民も困っていないなら、公園の活性化に真剣に取り組む必要性がないではないのかのという反論もある。公園の活性化を求める本音は何なのかね。

I.鋭い質問ですね。今全国的に限界集落という問題が提起されました。
それにこたえる形で“アベノミクス”が提案されました。“アベノミクス”では行政的収入だけでは、限界集落から離脱できないとの観点で、民間の力も借りて、収益をあげる政策を検討し、実施させています。

私どものグループは町の総合戦略を踏まえて、6部会をプラットフォームとする総合戦略を立案しました。しかし、この戦略は6部会の中の部会間で収益をもたらす種々の案を提案することで、総合的に収益をあげられる価値ある提案になっています。しかし、この理想案を実施するには種々の新しい政策を実施しなければならないし、数年かかります。町長選挙という大きな課題を持つ町長にとって、理想はそうであっても、再生協議会の成果が見える形で推進できなければ、次期選挙で町長が当選できないかもしれないという切実な問題があります。そこで、われわれは住民がどのような危機感の中で、この再生協議会を進めているか調査しました。今この町が熱心に進めているのは、高齢者の健康寿命促進運動で、住民もある程度の満足感があり、危機感が全くないことがわかりました。

しかしながら、現在の再生協議会の政策では収入を得られない状況ですが、そのことにも危機感がないというのが現実です。

危機感とは、人口減で町の収入がへりますが、町を維持管理する費用は人口減少による収入減に比例せず、赤字財政になります。このため町は2つのことを考えねばなりません。第一は民間企業と組んで、町の収益を増やすこと。第二が健康な高齢者が増加するので、健康な高齢者を人材としたボランティア化を進め、経費の低減を図る方法です。今町は”通いの場”という制度をつくり、健康高齢者の健康促進をしています。ゆくゆくはこれらの健康高齢者を活用し、第二のケースに適用する考えでいるのかもしれません。

A.住民に関心が薄い課題を処理するのは大変だね。しかし、限界集落の解消は町の収入を増やさない限り、問題は解決できないことは自明の理だ。住民の関心の薄さを理由に、

 課題を先延ばしする手法は好ましくない。「“アベノミクス”は官ががっちり抑えてきた既得権益を、特別区を設け、規制緩和と称して民間活用を考えたが、結局は権力を傘にした対応が仇となり、最後の土壇場で、(江戸のかたきは長崎でという)官の逆襲に合い、政権基盤まで危うくしている」。行政にたいする対応は注意深く、無理をしない対応が肝要だと思うよ。

I.ありがとうございます。その通りですね。そこで私は上部機関からの要請で2度目のワークショップを開こうと考えています。このワークショップには、老人以外の有能な人材も集め、多くの議論を重ね、手ぬかりなく進めたいと考えています。

A.住民の関心が薄く、行政も熱心でないなら、肩の力を抜いてコトに当たった方が無難だな。いずれ、収入増を求める行政側からの要請がある。それまでは手元にあるという総合戦略は出さない方が無難だな。

I.これは一本取られました。心掛けましょう。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
  (2)  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)

第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

  (2)  (3)   (4)   (5)   (6)  (7)   (8)   (9)   (10)   (11)    (12)  

第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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