第131回(2017.12.22) 「プロジェクトマネジメントを楽しむ」 その131
「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(45)
−アベノミクスを成功させるための電子空間活用戦略ー
―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(33)
渡辺 貢成
 kosei.watanabe@sweet.ocn.ne.jp
(有)経営組織研究所
第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1) 
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A.先月号の話は大変面白かった。

I.何が面白かったのでしょうか。

A.今まで温めていたIさんの真の戦略を話してくれたことだ。

@最初にIさんは理想的なビジョンとその具体策を提案した
A協議会幹部はこの提案の大きさに驚き、幹部は「地についた案」をIさんに要求した
BIさんは幹部の意向をくんだ基本案をSTEP1として実施し、先月成果を出した。この成功とは別に、Iさんは基本案の成功を喜ぶ幹部に、「この改修実績を来年度以降も継続させるには、町の予算では不足するため、持続的維持管理できる案をSTEP2として本年度内に提案することを約束させた。(一歩前進)
CSTEP2は縦割り行政の範囲内で成果を出すことが要求さている。しかしIさんはSTEP2とは別に再生協議会の6部会をプラットフォームとした観点で考えた6部会の総合改革案をSTEP3としての提案することを心で決めた。

IさんはSTEP2を戦略的に成功させることでなく、むしろ失敗し、関係者が縦割り行政からの脱皮を訴えるSTEP3方式に代わることを望んでいる。
STEP3はプラットフォーム戦略という高等戦略で、6部会の長所を活かし、欠点は他部会との統合で解消し、全体の価値を向上させる手法で、自己の皮を切って、相手の肉を制する手法で危険だから面白いな。

I.ここまで見通されるとは、Aさんも第一線の戦略家ですね。私の戦法は常に失敗からスタートしています。欧米手法は日本人的ムラ社会から実践的には毛嫌いされ、必ず没になります。没にされることが私の戦略の一つのプロセスです。欧米案は経験的に日本的ムラ社会案が絶滅するまで採用されません。そこで私はこの法則を逆用します。日本的ムラ人に「あなた方はSTEP1で大きな成果を獲得したことで、欧米流能力を身に着けました。ムラ社会の人々は典型的なリスク嫌いです。リスク分析し、危険だと不採用にします。欧米人はリスクに大きな価値があると考えます。プロジェクトを進めながらリスクを消す作業を進めるためにプロジェクトは成功します。ここで私は『関係者のプライド向上の法則』を活用します。

A.それは何かね。

I.日本的ムラ社会は基本的にリスクを嫌います。私は「協議会関係者の能力は高いじゃないか!」、 「なおかつ住民の協議会への支持も高いようだね!」と安心させることで、住人を“GO!させる機運に載せる試みをします。
実は今月の15日に再生協議会の第3回本部会議が開かれ、これまでの成果をプロモーションビデオにして協議会のメンバーに公表しました。これらのビジュアル化は町にも、また、住民にも大きな刺激を与えることができました。

A.どのような成果をあげたのかね。

I.六つの部会があります。

@山百合部会とコミュニティ・スクール部会です。山百合は学校の柵内で小学生と住民が共同で育成しているため、盗難の危険性がない環境で育っています。山百合の開花を新聞発表しますと横浜あたりからも多くの人々が飛んで見学に来てくれます。

A文化交流部会です。100名の部員を集めて山百合コーラスを結成しました。この素人集団をプロのオペラ歌手が指導し、アメージング・グレース(英語)、上を向いて歩こう、他2曲を10回の練習で、来場の聴衆の喝采を浴びるまでに成長させました。

B古民家部会です。吊るし雛で周辺の住民や横浜あたりから見学に駆けつけてくれます。
その他邦楽演奏、ジャズ演奏、そば打ち体験教室等人々を集めています。しかし責任者は古民家での活動で、周囲の農家の野菜が少しでも売れたら幸せだと考えています。

C住民のための福祉部会です。在宅介護を視野に置いた検討部会です。今通いの場を町内につくり、住民の健康と健全な精神つくりに励んでいます。

D県の住宅供給公社です。今1DKの個室リフォームで若い人の入居に貢献しています。

E公園・散策路部会です。公園の花壇化という改修工事が11月18日に750本の花の苗を植え付ける作業を完了しました。この作業で住民ボランティアが集まり、総数約50人が町から提供された花の苗の植え付けを完了しました。花づくりプロジェクトが多くの住民の支持を得ました。

A.プロモーションビデを示したことで再生協議会はSTEP1のアピ―イルに成功した。

I.そして会議終了後、町長、行政、協議会関係者全員参加者による忘年会が行われました。ここで参加者全員に一言発言が許されました。

A.町長の前で意見を出せたのは好都合だったようだな。

I.この席で「町民のレベルの高さ、これからの課題、それを処理する能力の高さがある協議会にあるため、さらに先の目標(各部会が金を稼ぐこと)達成の工夫・努力を期待する」ことを話しました。新しい動きは来月にします。



以上

プロジェクトマネジメントを楽しむ バックナンバー
第1回 プロジェクトを楽しむには多くの仕掛けがいる
第2回 PMを楽しむ仕掛けは時間が生み出す
第3回 基礎をしらないとPMは楽しくならない
第4回 仕事を減らす楽しみを覚えよう   (2)  (3)


第7回 行動の中から楽しみを生み出そう(1)
第8回 行動を頭に合わせよう(2)
第9回 行動を頭に合わせよう(3)
第10回 目的があって仕事がある(1)   (2)   (3)

第13回 日本の『現場力』を再度強化しよう(1)
 
  (2)   (3)  (4)  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)

第23回 「何か変だな」(1)〜「お客様は神様か?」
第24回 「何か変だな」(2)〜「頭を使う人々が、(生産性に)頭を使わないのはなぜ?」
第25回 「何か変だな」(3)〜「問題と課題の違いがわかるかな?」
第26回 「何か変だな」(4)〜「資格を取っても役に立たない?」
第27回 「何か変だな」(5)〜「「物事」とは何か?」
第28回 「何か変だな」(6)〜「タテマエとホンネ」とは何か?
第29回 「何か変だな」(7)〜「カタカナ言葉と漢字」
第30回 「何か変だな」(8)〜「これからは日本の時代って本当?」
第31回 「何か変だな」(9)〜「ものづくりは技術が基盤って本当?」
第32回 「何か変だな」(10)〜「サービスはタダか、サービスはマネーか?」
第33回 「何か変だな」(11)〜「少子化問題と一人っ子政策の討論」
第34回 「何か変だな」(12)〜「何か変だな!講演会」
第35回 「何か変だな」(13)〜「何か変だな!講演会2」
第36回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(1)〜PMOに消火活動チームの設置
第37回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(2)〜働く女性のために小学校の低学年児童の居残りは学校が面倒を見たら!
第38回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(3)〜アイデアは出すことより、実行+が難しい。実行が難しいから、皆考えなくなる
第39回 「世の中をよくするアイデアを出してみよう!」(4)〜How to の時代からWhat toへの転換
  (5)  (6)  (7)  (8)  (9)  (10)  (11)  (12)  (13)  (14)  (15)

第51回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(1)〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
第52回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」(2)―緊急時の対策― 〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (3)  (4)  (5)  (6)  (7)

第58回 「プロジェクトを実践して楽しもう!」―情報を活用する能力(1)―〜What toからHow to enjoy project managementへの転換
  (2)  (3)  (4)  (5)

第63回 「世界が変化している。原理・原則を知って変化に対応しよう」―ビジネスの基本に戻ろう(1)― −変わる基本、変わらぬ基本の理解−   
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第75回 「世界が変化している中で、日本人は自分のことをよく知っているのか」―勉強をしたバカとは何か勉強しよう(1)― 
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第87回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」−アベノミクスを成功させるためにー
“想定外”と“ゼロベース発想”−(1)

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第99回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」―グローバル市場で“勝ち抜くための戦略”−(1)

第159回 「日本人がグローバリゼーション下で勝ち抜くための発想転換」(73)―日本がグローバル市場で勝ち抜くためへの反省と提案−(1)

 
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